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欲望バス

文庫版


欲望バス−25時の天国−

金曜の深夜一時、毎週学校へ通いつづける少女と少年がいる。
誰もいない、暗く静かな学校の中、
金沢と佐竹は、二年前からこの習慣を続けていた。
語り手が「市営バス」の望月花梨初連載シリーズ。


欲望バス−Catharsisカタルシス−

市営バスは、藤陶館停留所前にある鑞梅の花が嫌いだ。
匂いや、花弁が散ってバスに入り込む事が
市営バスをイラつかさせる。
ある日、井原リョウヘイはバスの中で寝過ごしたことに気がつき、
慌てて藤陶館停留所で降りる。
バスから降りたそこには、
一年の時、クラスメイトだったと言う寺川和香が立っていた。


欲望バス−地下鉄道−

真巳子は学校帰りの地下鉄の構内で、
昔自分を振った水置成行を見つけた。
いまだに水置にわだかまりのある真巳子は気まずい。
そんな彼女に対して、
彼は電車を止めるくらいのことをして死にたいと自嘲気味に語る。
同じく親戚の市営地下鉄を舞台にした物語。


金魚午睡

自暴自棄になっていた森美並(ナミ)は
土砂崩れのためにトンネルの中に閉じ込められてしまう。
暗闇のその中には不思議な先客がいた。
ものを忘れる時間は短い方が幸せだろうか?


人形ひとがた

保育の授業で使っていた赤ちゃんの人形が気に入ったので、
まなみは先生から貰って帰ることにした。
しかし、家に向かう途中で、
その人形は魂の入った、喋って動く人形だと分かる…。


泥沼ノ子供タチ

宮本春生・秋生は二人きりで住んでいる双子の兄妹。
彼らは隣に住んでいる姉弟に
「暇つぶし」として、興味を持つ。


ペテン・エンジェル

二年七組の生徒はあまり仲がよくない。
男子と女子は喧嘩ばかりしているし、
気の弱い女子の丹羽は大っぴらにいじめられている。
そんな夏休みの前、学級委員の笹野は
同じく学級委員の遠山亮子の態度が、何処となく変なことに気づく。


2人の距離

渡辺亜沙子は同じクラスになった
自分と一文字違いの渡辺衣沙子が大嫌いだ。
なんとなく嫌いなタイプだった衣沙子は、ことあるごとに亜沙子の気を尖らせ、
彼女は次第に衣沙子に対して我慢ができなくなっていく。
HMC(花とゆめ漫画家コース)の銀のゆり賞受賞作であり、雑誌初掲載作。


境界

子供でも大人でもない時期。それは境界の時。
長谷川ゆーかは幼馴染のやよいを心配している。
何故なら彼女はクリスマスの夜、あるものを見てしまったから。
望月花梨デビュー作。


サクラチル

誠は春から同じクラスになった美しい花森さんが気になっていた。
しかし、突然彼女は以前からの恋人だったという
新任の教師と心中を図り、一人だけ生き残る。
周囲が色々噂し合う中、彼女は超然と学校に現れた。
誠はためらわず彼女と
仲良くなろうと努力し始める…。


夏はまだこれからだし

不良だった佐藤が突然真面目な普通の少年になって、
アイミは仲良く喋るようになった。
性格と態度が変わった佐藤は楽しい人間で、
アイミは気に入っている。
そしてもう一人、アイミがクラスで気に入っている
暗くて目立たない少女、永末。
誰からも気を留められない彼女だが、
本当はとても綺麗な女の子なのだとアイミは知っていた。


コナコナチョウチョウ

白墨の粉は、蝶々の燐分に似ている。
同世代の女の子と馴染めない、馴染まない緑子(グリーン)。
彼女を嫌うクラスメイトの女子達は、ある日、そんな彼女の机に
グリーンの大嫌いな白墨の粉で嫌がらせをする…。



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