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中国語版・韓国版

最新情報

中国語版のコミックス「スイッチ」の折り返し部分を見つけました。
書いてある文字が分かりやすいようにやや大きめの画像にしているのでご注意を。
中国語版「スイッチ」一巻折り返し部分画像

現在、「花とゆめ」は台湾、香港、その他のアジア地域でも発売。
もちろん、望月先生のコミックスも各地で発売中。
まだ全部のコミックスを発売してるというわけではないようですが、
どんどん新しいコミックスも出版されています。

まずは中国語版のコミックスタイトルから。いずれも長鴻出版という会社から。

コナコナチョウチョウ→迷夢蝴蝶
「蝴蝶」というのはもちろんチョウチョウの事です。日本語だと「胡蝶」で、虫偏がありませんが。

欲望バス→慾望巴士
「巴士」というのはバスを表します。バァスゥという発音からこの字を使用。

Wの庭園→水色庭園
雰囲気が出ているいい訳だと思います。水色というのがなんとも言えず。

裸足めぐり→裸足蝶衣
蝶の衣装をカラーの表紙で亀ちゃんが着いてた所から来た訳でしょうか。
厳密に表記すると、「裸足めぐり」の「裸」の偏は、「示」という日本語の旧字体表記になります。

純粋培養閲覧図→戀愛培養室
は言うまでもないでしょうが、恋の旧字体で恋愛の意味です。

チョコレートダイアリィ→巧克力男孩
「巧克力」というのは「チャオカァリィ」という発音を漢字に当てはめたもので、チョコレートの事です。
(中国語は、外来語を取入れる時、発音が元になるこのような場合と、
意味をそのまま漢字に直す場合や、例:洋点心=ケーキ、
その両方を合わせたものがあります。例:可口可楽−カァコゥカァラァ=コカコーラ)
孩、というのは「子供」という意味で、もちろん男孩だったら男子、の意味です。
笑えない理由の中国語訳「女孩」だったら女の子、という意味です。
日記は、そのまんま「日記・リィジィ」でいいんですけどね。チョコレートボーイ遥加。

笑えない理由→不笑的女孩、笑不出来的理由
二つタイトルを出しましたが、実際にコミックのタイトルになっているのは前者だと思います。
これは「笑わない女の子」という意味で、どうやら韓国語もこれに近い形のタイトルと見ました。
「笑不出来的理由」の方は、日本語のニュアンスまでくんで訳した説明でしょう。
ちなみに出来、というのは「出て来る」という意味ではなく、
動作が中から外に向かうことを表したり、事物の完成や実現を表す接尾辞というもので、
動詞の後について動作の意味を補足する、中国語独特の文法です。←書いてる自分でもよく分かってねえ。

えーと、つまり、後者は「笑えない」という感じにより近い訳になっているはずです。
「笑ない理由」なんだから、can't の意味の「不会」で訳して欲しかったので。
「笑えない理由」と「笑わない理由」じゃ、ちょっと違う…かな。

スイッチ→心動
心が動く、と書いて「心動」(シン・ドゥング)というタイトルです。
意味もそのままで、心が動く、気が動くという感じです。
絅のよろめきを上手く表している、なかなか心憎い訳なのでちょっとしびれました。
ちなみにスイッチそのものは、中国語では「開閉」や「電門」と表します。

鍵−かぎ−→心鎖
中国語で、「鍵」は「鎖」と表しますので、これは「心の鍵」という意味です。
発音は標準語で「シンスォ」だと思います。


それから、短編のタイトルも一部分かりました。

境界→境界
サクラチル→櫻花散
金魚午睡→金魚午睡
泥沼ノ子供タチ→泥沼之子

夏はまだこれからだし→仲夏夜未了
素晴らしきかな、中国語の世界(日本人にとっては)、見たまんま。
「夏はまだこれからだし」の「仲夏」とは夏季の二番目の月を指します。(旧暦)

カルスの花園→培養花園
ピュアホワイト→純白
スミレグラス→深紫色的瑠璃杯

分かりやすい訳第二弾。
「純白」という訳が好きです。純白。
普通の訳なのですが、やっぱり漢語はいいですね。
瑠璃杯、という言い方も、中国語では自然な訳語なのでしょうが、
日本語感覚で読むと、素敵な雰囲気が漂っていると思います。

うらら→艷陽天
JUNK→JUNK
傷あと→傷痕
緑のこども→緑小孩

「艷陽天」(ヤンヤンティエン)というのは調べて初めて知りましたが
うららかな春の日をいうらしいです。…ためになる。


アルカロイド→Alkaloid −生物鹸−(←表示できませんが、この鹸は旧字体です…)
呼吸→呼吸
犬と夏服→犬與夏裝
生物鹸とは中国語の「アルカロイド」です。
呼吸はそのまま。
犬と夏服の「與」というのは「〜と〜(要するにAND)」を意味するので
こちらもほぼ同じ意味です。

ノドアメイカガ→來顆喉糖怎麼樣
「顆」というのは粒や円形のものを数える量詞。
そして「糖」はタンといって中国語では飴玉のことを言います。「喉糖」はつまり咽喉飴。
「怎麼樣」ゼンマヤァングはhow (about)の意味なので、「これはどうですか?」と聞く時に使います。


基本的に中国語は、北京語で使われる簡体字(日本語の漢字を簡単にしたような形)と、
香港の広東語や台湾の台湾語(今、若い世代は共通語である北京語を学校で習うようなのですが)
で使われる繁体字(日本語の旧字体のように複雑なもの)の二つの表記があります。
あきらかに漫画の出版という点においては、後者の地域の方が優勢なようで
殆ど簡体字のものを見かけません。これからまだまだ出版されるかもしれませんが。

ちなみに、「JUNK」で玉環ちゃんが喋っているのは北京語(普通語)っぽいので
香港では繁体字に直してるのか気になる所です。


また、かな子、という名前のように平仮名が混じったままでは漢字にならないので、
こういうひらがな名前は、中国で適当に漢字をつけて名前を呼びます。
かな子は、加奈子、という名前が採用されたようです。
(しかし、ここで疑問。かな子がバスの中で自分の名前のヴァージョンを考えてるシーンはどうなってるのか?)

そして、向こうでは、廣田老師です。
老師っていうと彼のイメージに全然合わないのですが、
中国語だと「先生」は男性につける敬称なので教師には使いません。


「花とゆめ」も出版されているようで、「花与梦」や「花興夢」などの名称で呼ばれています。
んで、新連載だった「緑の黒髪」の紹介が色々な漫画関係ページにされていました。
その名も「緑色的K發」。(「發」は本当は違う字なんですけど「?」になっちゃって出ないよフォント。)
K發、は黒い髪という意味。
ただ、「緑の黒髪=真っ黒で美しい髪」という言い回しは中国語にはないようで、
「烏K的頭發」のように、カラスの黒のように黒い頭髪、といった言い方をするのです。
(難しいね、各国によるイメージングの違いは。意訳しても受け取り方が違うし。)
まだ日本でも単行本になってないので、詳細はこれから変化するかもしれませんが、
すぐに日本の漫画最新情報が手に入るようなので驚きました。


中国語のコミックスがどんな感じか見たい方は下をクリック。
基本的に日本版のコミックスの題名を中国語で隠したものです。
中国ページのサーバーにアクセスするのは面倒なんで、画像を保存してまとめました。
ちょっと掻き集めた感じなのですが、ご了承ください。

中国語版「裸足めぐり」と「チョコレートダイアリィ」の表紙

中国語版「笑えない理由」一巻から四巻の表紙

中国語版「コナコナチョウチョウ」「スイッチ」「緑の黒髪」の表紙

あと、こちらは中華圏のヤフオクに出品されていた、
「チョコレートダイアリィ」と「裸足めぐり」のコミックスカバー裏の画像です。
やや荒い画像ですが、漢字によるあらすじなどの雰囲気を見たい方、どうぞ。
「チョコレートダイアリィ」と「裸足めぐり」中国語版・カバー裏


んでもって管理人が全然ハングルが読めないので、
かんばしくなかった韓国版ですが、表紙画像は見つけました。
(感想ページもありました。翻訳ツールによると「キセル」はやっぱり
そのまんま「不正乗車」みたいなタイトルになっているようです。)
スイッチも二巻まで出版されているようです。
その他のコミックスはまだ出ていない感じがします。
中国語版より、装丁がシンプルに美しくまとまっています。

韓国語版「笑えない理由」二巻から四巻・スイッチ二巻の表紙




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